別に沖縄県民は「反基地」であっても「親中」じゃない

id:the_sun_also_rises 氏の

thesunalsorises.hatenablog.com

この記事についてだけど

Mukke氏は、エスニック問題*3に興味と関心を強く抱いていると思っている。そういう人が今の沖縄の状況をみて、先日の「スコットランド独立の是非を巡る住民投票」のような「平和裏の投票」を期待する気持ちはわかる。
ただ問題は、そういった人は期待が先に立ち、私が一番重要だと思う視点、つまり「本当に平和裏に沖縄でそんな投票ができるのか?」という安全保障上の視点を欠いている点だ。Mukke氏もしかり。琉球新報もしかり。安全保障に関する問題を論じているのに関わらず、どんなことをしても平和が崩れないことを議論の前提としている。そういった論が常に成り立つのならば、世界はどれほど幸せであったろうか?

結局 id:the_sun_also_rises氏が何を持って「平和裏に投票ができない」としているのかよく分からない。

①中国政府が投票に際して政治工作を仕掛けてくる、②あるいはそれを口実に中国が尖閣・沖縄に対して軍事行動を起こすとでも言いたいのだろうか。

 

別に沖縄県民は中国にシンパシーなんぞ抱いてない

まず①に関していえば、別に沖縄県民の大多数は「反基地」であっても「親中」ではない。これは世論調査で明確にされていることである。

http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/chian/research/documents/h25reportjp-4.pdf

中国に「良い印象」「どちらかといえば良い印象」を感じる沖縄県民の割合は合計しても約8%(全国平均は約9%強)。

これに対し「良くない印象」「どちらかといえば良くない印象」を感じる割合は、沖縄県民が合計約89%(全国平均は約81%)。(上記報告書 P176)

 沖縄県民の約60%が米国に「より親近感を感じる」のに対し、中国に対し「より親近感を感じる」県民は約3.5%(どちらにも感じないが約23%)(同上 P180)

 少なくとも沖縄県民の大多数は中国や社会主義にシンパシーを感じてるわけでも何でもないし、「反基地」と中国政府に対する不信感が両立していることは一目瞭然である。

 従って万一沖縄が独立国となったとしても、沖縄県民が自由意思で親中政権を選択する可能性は皆無に近いと言い得る。あり得るとすれば、中国共産党政権の崩壊により中国が旧西側並みの民主化を達成し、なおかつ日・米政府が琉球ナショナリズムを逆撫でするような致命的不祥事(それこそ沖縄米兵少女暴行事件を上回るレベルの)をやらかした場合だろうが……

 しかし前者が発生したら沖縄米軍駐留の必要性自体が激減するわけだし、後者のような事件が発生したら、それは日本政府の自業自得だよねとしか。

 

そもそも「投票したが沖縄独立論は否決された」形では何故いけないのか

②についても、投票で独立反対派が圧勝すれば、かえって軍事行動を起こした中国側がロシアのクリミア占領など比較にならない国際的非難を浴びるであろう(「現地住民が日本残留を望むのに、それを踏みにじって自国の領土的野心を剥き出しにした」形になるため)。当然日米安保も発動する。

つまり「公正に独立の是非を投票して、なおかつ日本残留派が圧勝する」ことは、逆に中国政府の「琉球は本来中国領」というナショナリスティックな主張を牽制する手段となり得る。

 そもそも、現今の段階でも琉球民族独立総合研究学会なるバリバリの独立運動推進派の行なった調査でも、独立に賛成してるのは6%に過ぎないわけであって

https://web.archive.org/web/20140304103517/http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=63564

 6%が6%でおさまっているうちに、

「独立推進派の主張を受け入れて民主的に選挙したが、日本残留派が圧勝した。よって独立運動に正統性なし」

 というダメ押しをして、「民主的に」(「弾圧」との口実を相手に与えない形で)独立運動の勢力を削いでおく(そして投票で圧勝するために、基地負担の削減等で県民の日本政府・日本本土に対する不信感を和らげておく)のは、別に「サヨク」的アプローチでもなんでもない。

むしろ本気で琉球ナショナリズムを推進する人々からすれば、かなり「ウザい」手段だと思うのだが。

 

なお、この記事は id:the_sun_also_rises 氏のいう「平和裏に投票できない理由」が中国の介入であるという前提で書いておるので、もし違うというのであれば、その理由を聞かせて下さい。(嫌味でなく、それ以外のファクターが思いつかないので)